2024年4月21日具体的に話す
★わかりにくい話の特徴
「話がわかりにくい」
「話はわかるけど、今一つピンとこない」
「それって、どうなのかなぁ」
あなたが話をした際に、上のようなことを言われたことはありませんか?
多分、誰でも一度や二度はこのようなことを言われたことがあると思います。
相手が上のような反応をしてしまうのは、間違いなく話し方に改善点があるはずです。
では、その改善のポイントはどこにあるのでしょうか。
私の過去の経験からすると、話しが具体的かそうでないか、です。
★ある受講生の悩み
日本話し方センターの話し方教室を受講していたHさんには、解決したいことがありました。
それは、プレゼンスキルの向上でした。
Hさんは社内の会議でプレゼンをする機会が多いのですが、
「何が言いたいのかよくわからない」
「それは何のためにやるの?」
「要点だけ話してくれる?」
などとよく言われるそうです。
プレゼンのたびにダメ出しされるので、話す前から緊張してしまい、さらに上手く話せなくなっていました。
話し方教室では、受講生が2分間のスピーチをします。
Hさんのスピーチを聞いて、講師はこのようにアドバイスしました。
「Hさんは大きな声でハキハキと話すので、とても聞きやすいですね。一方で、話しが抽象的なので、もっと具体的にすると更によくなりますよ」
Hさんは、話し方教室でのスピーチ、会社でのプレゼンともに、抽象的な話をしてしまうので、わかりにくかったのです。
★具体例を話す
では、どうすれば具体的な話になるのでしょうか。
私たちの話し方教室で伝えていることは、主に次の2点です。
1つ目は、できるだけ話に具体例を入れることです。
具体的でわかりやすい話とは、聞いている人の頭の中にイメージが浮かぶ話です。
そのためには、ストーリーのある話が非常に効果的です。
理屈や考え方ばかり並べた話よりも、物語の方が、聞いている人は興味を持って聞くことができますし、格段に理解しやすいです。
そして、話にストーリー性を持たせるために、エピソードや具体例を入れて話すのです。
例えば「安全運転を心がけて欲しい」という話をするのなら、次のような例を入れるとよいでしょう。
「昨年、こんな事件がありました。
運転手が左折する際、一瞬確認を怠ったために高校生の自転車を巻き込んでしまいました。
その高校生は一命は取り留めたものの意識が戻らない状態が今も続いています。
裁判所は運転手に1億7千万円の賠償命令を出しました。
その運転手は、女子高校生やそのご家族への申し訳ないという思いとともに、莫大な賠償金の支払いも一生背負って生きていかねばならないのです。
このように、運転中の一瞬の気の緩みが、あなたや家族、被害者の一生を台無しにしてしまうこともあるのです
ぜひ、安全運転に心がけてください」
こうした例話を入れると、聞き手も自分事のように感じて、気を引き締めて運転しよう、と思うでしょう。
ぜひ聴き手の心に響く具体例を入れて話すようにしてください。
★話しに5W1Hを入れる
具体的に話すための2つ目のポイントは、話を理解してもらうために必要な5W1Hを入れることです。
例えば、「先日、お客様に提出した書類の金額を間違えるというトラブルがありました。書類の確認は念を入れて行うようにしてください」という話をするとします。
上で述べたように、実際に起こったことを入れた話ですが、このような話を聞いた人は、次のような疑問を持ってしまい、話を理解することができません。
- いつ頃のできごとなのか
- なぜ金額を間違ったのか
- お客様はどういう反応だったのか
- どういう顛末だったのか
こうした疑問が残る話は、具体的な話とは言えません。
また、話に疑問を持つとそのことについて考えてしまい、話に集中できず、聞き逃してしまいます。
これも、どういう話かわからなかった、という印象につながる要素ですので、ぜひ留意いただきたいことです。
ところで、冒頭に述べたHさんは、必要な5W1Hが抜けているのでわかりにくい話になっていました。
講師のアドバイスを受けたHさんは、その後のスピーチ実習で、できるだけ5W1Hを入れて話す努力をしました。
すぐには具体的な話にはなりませんでしたが、繰り返しスピーチ実習を行った結果、次第にコツをつかみ、コース修了時にはわかりやすいし具体的な話ができるようなりました。
あなたが「話がわかりにくい」と言われるなら、ぜひ上で述べた2つのことに留意してください。
★わかりやすい話できるようなります!
日本話し方センターの話し方教室では、受講生一人ひとりの状況を把握した上で、その人に応じた改善ポイントを講師がアドバイスしています。
その結果、わかりやすい話ができるようになった、という人が数多くおられます。
話し方は、専門家のアドバイスがある方が、効率的かつ効果的に改善できます。
ぜひ、あなたも日本話し方センターのベーシックコース、2日間集中コースをご受講ください!